橋戸稲荷神社
橋戸稲荷神社は、東京都足立区の、京成本線千住大橋駅より徒歩4分の地に位置する鎮守社。
創建は平安時代の延長4年(926年)とも室町時代の延徳2年(1490年)とも言う。
社殿は江戸時代末期の建立で、そのうち本殿は土蔵造で、扉内側に伊豆長八の鏝絵が施されている。この鏝絵は年3回(2月3日、5月15日、9月中旬の例祭日)に公開されるが、拝殿の前に飾られているレプリカは常時公開されている。
鳥居は額束のある陵墓鳥居で、ある程度の規模の神社の表参道の鳥居としてはまあまあ珍しい。
拝殿は江戸末期の1862年建立。かつては重厚な瓦葺きだったが、東日本大震災後、銅板葺きに改められた。
拝殿の扉の両脇には、本殿内扉に施された鏝絵(後述)のレプリカが飾ってあり、常時拝観可能。
土蔵造の本殿は江戸末期の1859年建立。足立区登録有形文化財。本殿は重厚な瓦葺きのまま。
本殿の扉は、通常はこのように閉じられているが・・・。
年3回(2月3日、5月15日、9月中旬の例祭日)の公開時はこのように開扉され、扉内側に施された伊豆長八製作の鏝絵(漆喰彫刻)を、間近で拝観可能。この鏝絵は区の登録文化財である本殿に付登録されている。
伊豆長八は、幕末から明治期にかけて活躍した鏝絵の名手。江戸・東京を中心拠点としたため、関東大震災および第二次世界大戦の戦禍で作品の多くは失われた。東京では他に、品川区にある旧東海道品川宿の寄木神社と善福寺で作品を見ることができる。
なお、足立区の千住橋戸町という「千住」を関する町に鎮座するが、北千住の中心部からは割と離れており、千住大橋が架かる隅田川対岸の南千住(荒川区)の方が近い。