明治神宮外苑
明治神宮外苑は、東京都の港区と新宿区に跨って存在する、明治神宮のもう一つの境内。JR中央線の信濃町駅より南へ徒歩1分に位置する。
明治神宮は、大正9年に、明治天皇とその正后である昭憲皇(太)后を祀るため創建された、記念を目的として建てられた新しいタイプの神社であり、明治という時代を体現する天皇を象徴するように、伝統的な祭祀空間である内苑(社殿のある境内)と、近代的(西洋的)な公園空間である外苑が設けられた。通常、単に「明治神宮」と呼んだ場合は内苑を指す。
外苑は大正15年の完成で、聖徳記念絵画館とスポーツ施設を主とし、神社の雰囲気はほとんど感じられない、開放的な洋風空間である。
青山口から聖徳記念絵画館へと続く絵画館前通りには、江戸城外濠の石材で築いた石塁と、開園当初からの銀杏並木4列146本がある。今はこの通りと絵画館の間は運動施設となっており、直線的に繋がってはいないが、かつては直通していた。
大正15年築の聖徳記念絵画館は国指定重要文化財。明治天皇の生涯を描いた絵画群を展示する。
聖徳記念絵画館前にある角池は重文の聖徳記念絵画館に附指定されている。
イチョウ並木の北端近くにある丸池も重文の聖徳記念絵画館に附指定されている。
聖徳記念絵画館の背後にある葬場殿趾円壇も重文の聖徳記念絵画館に附指定されている。
神宮外苑の車道アスファルト舗装は、大正15年に施された日本最古級のワービット舗装であり、土木学会推奨土木遺産に認定されている。
現在はその上から更に舗装が施されているが、聖徳記念絵画館前通りの一角には展示スペースが設けられている。
建国記念文庫は奄美の高床式倉庫を移築したもの。
野球場は大正15年建造だが改造が大きい。2020年以降、再開発で解体予定。
その他、青山口(南端の入口)と内外苑連絡道路口(北西の入口)には江戸城外濠の石材で築いた石塁がある。
また、樺太日露国境天測標のレプリカもある。
銀杏並木の紅葉
銀杏並木146本も外苑の竣工当初からのものである。
銀杏並木が色づく11月末~12月初旬頃、多くの見物客が訪れる。この頃は、いちょう祭りも開かれ、並木の奥には模擬店などが出てイベントなども催される。
明治記念館
本館は明治14年に建造された赤坂仮皇居御会食所が、伊藤博文邸への移築を経て再移築されたもので、東京都指定有形文化財。現在は結婚式場や会議場、レストランなどに使用されている。