武蔵御嶽神社

武蔵御嶽神社武蔵御嶽神社は、東京都青梅市の、武蔵御岳山(929m)の山上に鎮座する、山岳信仰の神社。
戦前の社格は東京府(東京都)の府社。山上に、江戸時代の社殿と共に、御師の集落が残る。
JR青梅線の御嶽駅の近くからバスとケーブルカーを乗り継ぎ(麓に駐車場もあり)、ケーブルカーの山上の駅からは徒歩25分で神社に至る。

御岳山麓

麓には山下御師の居宅が点在するが、町並みというほどは残っていない。ケーブルカーの山下の駅まではバスか自家用車でアプローチできるが、一般車はそこから先は通行不可。またケーブルカーを利用せずに山上に至る登山道(参道)もある。

一ノ鳥居
武蔵御嶽神社

一ノ鳥居は御岳渓谷の近くに立つ。

禊橋と二ノ鳥居
武蔵御嶽神社

二ノ鳥居は、ケーブルカーの駅近くの、山上へと続く登山口にある。なお、この登山道(参道)の道中は宗教色はさほど見られないものの、その杉並木は青梅市指定天然記念物となっている。
二ノ鳥居前に掛かる禊橋は昭和13年架橋で、下部は煉瓦造。

ケーブルカー
武蔵御嶽神社

御岳山上の門前町・宿坊町

御岳山上の門前町・宿坊町かつて、武蔵御嶽神社には山上と山下に御師が集落を作り、関東一円の講の信徒活動を支えていた。
そして現在でも山上の神社の門前には御師の集落が残って宿坊が約20軒あり、独特の景観を構成している。

山上の駅方面から見た集落
武蔵御嶽神社

山上の駅方面から見た集落。武蔵御嶽神社は集落の奥に見える峰に鎮座する。なお、三ノ鳥居も駅の割と近くにある。

産安社 拝殿
武蔵御嶽神社
産安社 本殿
武蔵御嶽神社

展望台レストランの近くに鎮座する産安社(うぶやすしゃ)は、江戸時代は富士浅間社と称されていた。
本殿は、江戸末期の1858年頃に建立された大口真神社の社殿を、昭和7年に移築したもの。

御師集落
武蔵御嶽神社
宿坊・東馬場
武蔵御嶽神社

宿坊・東馬場は1866年竣工。馬場家御師住宅の名で東京都指定有形文化財

宿坊・御岳山荘
武蔵御嶽神社

宿坊・御岳山荘は江戸末期(1855年以後)の竣工。

宿坊・宝寿閣
武蔵御嶽神社

宿坊・宝寿閣は宝暦~明和年間(1751-1772年)の竣工。

宿坊・秋山荘
武蔵御嶽神社

宿坊・秋山荘は主屋・長屋門とも江戸末期の竣工。

神代ケヤキ
武蔵御嶽神社

神代ケヤキは国指定天然記念物。景行天皇40-43年(西暦110-113年)、東征中だった日本武尊が植えたと伝わる(実際の推定樹齢は1200年)。

門前町の商店街
武蔵御嶽神社

武蔵御嶽神社

武蔵御嶽神社武蔵御嶽(むさしみたけ)神社は御岳山(929m)頂に鎮座する、山岳信仰の神社。現在の主祭神は櫛真智命。
戦前の社格は東京府(東京都)の府社で、境内は青梅市指定史跡。
崇神天皇7年(BC91年)に武渟川別命が大己貴命と少彦名命を祀って創建し、奈良時代の天平8年(736年)に行基が蔵王権現を勧請したと伝える。鎌倉時代の文暦元年(1234年)に中興し、それ以降は修験が隆盛する。明治元年には御嶽大権現から大麻止乃豆天神社に、更に同7年には御嶽神社と改称。昭和27年に武蔵御嶽神社となる。
当社と木曽御嶽神社、甲府金峰山・金桜神社で日本三御嶽だと称している。

四ノ鳥居(大鳥居)
武蔵御嶽神社
随身門
武蔵御嶽神社

随身門は明治初期の建立。

参道
武蔵御嶽神社
五ノ鳥居(銅鳥居)
武蔵御嶽神社
宝物殿
武蔵御嶽神社
旧宝物殿
武蔵御嶽神社

旧宝物殿は、明治39年竣工の和洋折衷建築。

社務所と拝殿
武蔵御嶽神社
拝殿
武蔵御嶽神社

拝殿・幣殿は1700年建立。

中門
武蔵御嶽神社

幣殿と本殿の間の「石の間」には中門がある。

本殿
武蔵御嶽神社

本殿は明治11年建立。神明造だが長い向拝が付されている。

常磐堅磐社
武蔵御嶽神社

摂社・常磐堅磐社(ときわかきわしゃ)の社殿は、1606年に建立された旧本社本殿。東京都指定有形文化財

皇御孫命社
武蔵御嶽神社

皇御孫命社(すめみまのみことしゃ)は皇孫・瓊々杵尊を祀る。
社殿は江戸後期に建立された旧東照社社殿。社殿前には狛猪がある。

大口真神社
武蔵御嶽神社

大口真神社(おおぐちまがみしゃ)は、当山にて東征中の日本武尊を導いた狼を大口真神として祀る。
社殿は昭和8年の、門と玉垣は平成11年の建立。

神明社
武蔵御嶽神社

神明社もまた本社本殿と同じようなフォルムの神明造。

八柱社
武蔵御嶽神社

八柱社の社殿は八間社で大正14年建立。
本社の周囲にはこのほか、二柱社、東照社、巨福社、北野社がある。

武蔵御嶽神社 公式HP
東京都青梅市御岳山176 地図
アクセス:JR青梅線 御嶽駅よりバス・ケーブルカー
青梅・奥多摩
エリアガイド
青梅・奥多摩 | 東京都
JR青梅線の中央~西側

武蔵御嶽神社 奥宮

武蔵御嶽神社の奥宮(奥ノ院)男具那社(おぐなしゃ)は、本社から片道1時間の甲篭山(こうろうざん、1077m)山頂に鎮座する。
景行天皇40年(紀元110年)、東征中の日本武尊の前に、当山において狼が現れ尊を導いたので守護神となるよう命じ、以降御嶽大神の神使になったと伝える。また尊が当山に武具を収めたのが国名「武蔵」の由来ともいう。
なお、武蔵御岳山を「前のタケ」、甲篭山を「中の嵩」とし、大岳山と併せて三岳と呼んだのが転訛して御岳(御嶽)となったともいい、大岳山は往古は武蔵御岳山の奥ノ院だったとも伝える

奥宮への参道
武蔵御嶽神社 奥宮
本殿覆屋
武蔵御嶽神社 奥宮
本殿
武蔵御嶽神社 奥宮
武蔵御嶽神社 奥宮
東京都青梅市御岳山 地図

ロックガーデン

武蔵御嶽神社から徒歩30分で到達する七代の滝から、禊場のある綾広の滝まで、ロックガーデン(御岳岩石園)として1.5kmの遊歩道が整備されている。
神社から七代の滝への道は高低差があり健脚向けだが、神社から綾広の滝へ(七代の滝やロックガーデン経由でなく)直接通じる道は比較的平坦で徒歩40分。

七代の滝
武蔵御嶽神社 奥宮
 
武蔵御嶽神社 奥宮

「七代の滝」は天狗岩付近から下流に現れる大小7段の滝。江戸時代は七滝や宝滝と呼ばれていた。

天狗岩
武蔵御嶽神社 奥宮

「七代の滝」の起点付近にある。天狗岩に登る鎖も整備されている。

ロックガーデン
武蔵御嶽神社 奥宮
 
武蔵御嶽神社 奥宮

七代の滝から綾広の滝までの渓流沿いの1.5kmに、ロックガーデン(御岳岩石園)として遊歩道が整備されている。

綾広の滝
武蔵御嶽神社 奥宮

綾広の滝は武蔵御嶽神社の禊場であり、禊滝社の祠がある。

ロックガーデン
東京都青梅市御岳山 地図

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