多福寺
多福寺は、埼玉県入間郡三芳町の、東武東上線のふじみ野駅より南西へ車で16分の地に位置する臨済宗妙心寺派の寺院。
山号は三富山。
元禄9年(1696年)、川越藩主・柳沢吉保が、三富地域を開拓するにあたり、開拓民の檀那寺として創建。
堂宇は揃っており、茅葺きの穀倉や、旧奉安殿を転用した賢聖殿もある。
また、隣接地に、当寺の仏堂である木ノ宮地蔵堂もあり、こちらは延暦24年(805年)創建と伝え、多福寺よりも遥かに歴史がある。



山門は1863年建立。


本堂は明治16年建立。
本尊は釈迦如来。

庫裏は明治3年建立。



賢聖殿は、三芳尋常高等小学校(現・三芳小学校)に昭和8年頃に建立された御真影奉安殿を移築したもの。

鐘楼は、梵鐘とともに1696年建立。

元禄の井戸は、三富開拓の元禄期に掘られた11ヶ所の飲用水の深井戸のうち、現存唯一の井戸。町指定史跡。

穀倉は1839年の建造。三芳町指定有形文化財。

木ノ宮地蔵堂
木ノ宮地蔵堂は、多福寺に隣接する、多福寺の仏堂。
延暦24年(805年)、北征中の坂上田村麻呂が武蔵野で怪異に会い道に迷うも地蔵菩薩に導かれ、またその加護で北征を成す。報恩に地蔵堂を建てる適地を探すと、当地に発光する塚があり、地下に御正体があるが掘り出さぬよう告げられ、地蔵堂を建立した。
後に多福寺が創建されると、その所有となった。


本堂(木ノ宮地蔵堂)は江戸後期の1777年建立。三芳町指定有形文化財。

本堂裏には奥之院である石地蔵がある。

これも地蔵堂か。