城山熊野神社
城山熊野神社は、東京都板橋区の都営三田線の志村三丁目駅より徒歩4分の地に鎮座する神社。
平安時代の長久3年(1042年)、当地の豪族であった志村将監が、和歌山県の熊野権現からら勧進して創建した、志村七ヶ村の総鎮守。
境内は中世城郭である志村城の二ノ丸跡で、空堀跡が残る。また、江戸時代や明治時代の社殿も転用されて残るほか、多くの絵馬も展示されている。
境内には竜吐水と玄蕃桶(江戸期から明治期に用いられた消火ポンプ)が展示されている。
社務所は昭和26年建造の戦後建築。
神楽殿は昭和29年建造。
社殿は拝殿・幣殿・本殿が連結された権現造で、戦後の昭和32年建造。古墳の上に建てられている。
本殿の背後には、奥ノ院と称された石祠がかつてはあった(後に撤去)。
昭和32年に建て替えられる前の本殿(明治33年建造)は、現在は招魂社となっている。棟持柱がなく、脇障子があるものの、直線的な屋根を持つ、多分に神明造に近い切妻造である。
絵馬殿は、江戸時代中期から後期に建造された旧拝殿を転用したもの。
絵馬殿内には絵馬が多くの展示されている。
当社には江戸時代中期から大正期の絵馬82枚、扁額9枚が残されており、板橋区の有形民俗文化財に登録されている。
城山熊野神社の境内は、鎌倉時代頃に志村氏によって築かれたとされる、志村城の二ノ丸跡である(本丸跡は志村小学校など)。志村城は後に千葉氏、さらには後北条氏の手に渡るが、おそらく後北条氏が秀吉に滅ぼされた後に廃城となった。
境内には、現在も城の空堀や土塁がわずかながら残る。
なお、当社の樹林は板橋区の天然記念物に登録されている。
例大祭
当社の例大祭は9月中旬。三年に一度、本社神輿が渡御する。