旧朝倉家住宅
旧朝倉家住宅は、東京都渋谷区の、東急東横線の代官山駅より南西へ徒歩5分の地に位置する近代和風建築。
朝倉虎治郎(1871-1944年)の邸宅として大正8年に竣工。
朝倉家は当地の地主で、幕末からは精米業も営み、虎治郎は東京府議会議長なども務めた。
昭和22年に売却されて以降、中央馬事会、農林省、経済企画庁の手を経て、渋谷が平成20年から公開。
和風住宅と、崖線を利用した回遊式の庭園が残されており、国の重要文化財に指定されている。


附属屋(車庫)は大正8年竣工。重文指定の附指定。



主屋は大正8年に竣工し、後に、北側に台所や食堂、家族室が増築された。国指定重要文化財。

土蔵は国指定重要文化財。
重文指定時の記述では大正8年頃の竣工。しかし、渋谷区のウェブサイトによると、昭和12年、関東大震災で漆喰が崩落したので、軸部は木造、外壁はRC造で建て直したという。

庭門は重文指定の附指定。


主庭は崖線を利用したものとなっており、当時は目黒川や富士山が望めた。
また現在は水は流れていないが、かつては三田用水から引いた流れと小滝が配されていた。
なお、宅地(灯籠、石組含む)も国指定重要文化財。
屋内
朝倉家は、華族や財閥家族とは異なり洋式の大規模な宴を開く必要がなかったため、住宅の洋間は来客用の一部屋だけで、他は和風であった。





主屋に囲まれた中庭(坪庭)。

経済企画庁渋谷会議所だった時期の第一会議室は洋風だが、ここは朝倉邸期は和風であった仏間・中の間・寝間を改装したもの。
