湯島天神
湯島天神(湯島天満宮)は、東京都文京区の湯島に鎮座する、都心部では亀戸天神と双璧をなす天満宮。東京メトロ千代田線の湯島駅より徒歩2分、東京メトロ銀座線の上野広小路駅より徒歩5分、都営大江戸線の上野御徒町駅より徒歩5分の位置にある。
戦前の社格は東京府(東京都)の府社にまで昇り、現在は神社本庁の別表神社となっている。
由緒では雄略天皇2年(西暦458年)に天手力雄命を祀って創建され、正平10年(1355年)に菅原道真を合祀して天満宮となった。家康の入府の頃は衰退していたが、江戸時代からは寛永寺の末寺が別当としておかれ、繁栄した。
境内はさほど広くないがよく整備されており、中心的な社殿は新しいものの、木造で再建されている。また、東京の都心の神社には珍しく、絵馬殿が残っている。
境内は高台にある。現在は境内を囲む壁で見えないが、江戸時代の錦絵には、社殿からの見晴らしを楽しむ庶民が描れている。
湯島駅方面へ抜ける東参道には、坂の緩やかな女坂と、急な男坂がある。
表鳥居は江戸時代初期の1667年建立の銅鳥居。東京都指定有形文化財。
絵馬殿は、『湯島天神誌』によると明治25年の建造。
現在の社殿は平成7年に建造。拝殿・幣殿・本殿を連結した権現造。ちなみに前の社殿は第二次世界大戦での戦災焼失を免れたもので、明治期の土蔵造の本殿であった。
北参道の唐門の脇には、摂社の戸隠神社と末社の笹塚稲荷神社が鎮座する。戸隠神社は湯島天神の地主神とされる。
絵馬殿の脇にある天三火伏稲荷神社は、かつては備中庭瀬藩主板倉邸の鬼門除けの稲荷であった。覆屋の屋根を支える支柱に鳥居を組み込んである。
湯島天神の主な祭礼・行事
初詣
湯島天神への初詣の参拝客は多く、一帯には交通規制が敷かれる。露店も割りと出る。下の写真は元日の昼と夜の様子。
節分
2月3日の節分祭の豆まきは、それほど大規模ではない。
梅まつり
天満宮らしく、境内には白梅を中心に約300本の梅が植えられており、2月中旬~3月中旬には梅まつりが開かれる。湯島天神は東京都心部の代表的な梅見スポット。現在の梅は主に戦後に植えられたものである。期間中は露店が出店し、週末や祝日には、野点や太鼓、神輿渡御など様々なイベントが催される。また、夜間にはライトアップされる。この行事に関する詳細は「湯島天神 梅まつり」の記事を参照。
例大祭
例大祭は5月の末頃に開催される。湯島天神の例大祭では隔年で神幸祭が執り行われる。この神幸祭では鳳輦と台座に乗せた本社神輿が終日渡御する。これとは別に、4年ごとに本社神輿が担がれて渡御する。神幸祭はあるが本社神輿の担ぎ渡御がない年は、氏子の町神輿の連合渡御が行なわれる。この行事に関する詳細は「湯島天神 例大祭」の記事を参照。
菊まつり
11月頃に開かれる菊まつりは、約二千株が出展される、比較的大規模なもので、菊人形も出展される。この行事に関する詳細は「湯島天神 菊まつり」の記事を参照。
近隣には上野公園、旧岩崎邸庭園、教証寺、講安寺、麟祥院、横山大観記念館、東大本郷・弥生キャンパスなどがある。