旧前田家本邸
旧前田家本邸は、東京都目黒区の、京王井の頭線の駒場東大前駅より北西へ徒歩10分、または小田急線の東北沢駅より南東へ徒歩10分の地に位置する、旧加賀藩主・前田侯爵家本邸の遺構。
沿革は後述。
昭和初期に竣工した家屋などは国の重要文化財に、庭園は都の名勝に指定されており、目黒区立駒場公園として一般公開されている。
また隣接して、前田家が邸内に設けた尊経閣文庫が残り、ここも建造物群が国の重要文化財に指定されている。

正門及び塀、門衛所は昭和4年竣工。国指定重要文化財。

洋館
旧前田邸のうち、洋館部分の建物は都有。



チューダー様式の洋館は昭和4年竣工。国指定重要文化財。




旧腰掛を含む庭塀が洋館の重文指定に附指定されている。

和館と洋館を結ぶ和館渡廊下と洋館渡廊下は昭和5年竣工。ともに国指定重要文化財。
和館
旧前田邸のうち、和館部分の建物は国有。

和館門及び塀は昭和5年竣工。国指定重要文化財。


和館は昭和5年竣工。国指定重要文化財。

通常公開されるのは1階の広間周辺だけで、茶室や2階は非公開。

庭園は和館内より望むことができるが、通常は庭に降りることはできない。
土地その他
なお、旧前田邸の土地(外周塀を含む宅地)も、建物と同様に国指定重要文化財となっている。
また、旧前田庭園として東京都指定名勝でもある。正門から洋館にかけての敷地は区有、その他は国有。

洋館前の芝庭は、現在は「草はら広場」と呼ばれている。
奥に見える建物が洋館。

前田家の祖霊社は昭和20年に解体され、跡には基壇などが残る。

このトイレは、前田邸時代の車庫の外観を再現したもの。

このバーベキュー炉は、GHQ接収期に築かれたもの。
特別公開
通常は非公開な箇所も、秋の東京文化財ウィークなどでガイド付きで公開される。

通常は立入禁止の洋館裏庭から、洋館の裏面(東面)を観察できる。

洋館裏庭から見た、洋館渡廊下の南面。

通常は降りることができない和館の庭に入ることができ、和館を庭側から観察できる。

和館の2階も、特別公開時以外は入れない。

和館渡廊の南面。

和館にはその一部として茶室が接続する。
周囲は露地(茶庭)となっている。

茶室待合は昭和5年竣工。国指定重要文化財。

沿革
明治11年(1878年)、この一帯には駒場農学校が開設された。同19年に東京農林学校、同23年に帝国大学農科大学、同30年に東京帝国大学農学部と改組・改称されたが、大正13年より第一高等学校と敷地を交換する形で現・東大弥生キャンパスへと移転。
昭和初期には、旧加賀藩主前田侯爵家16代当主前田利為が、農学部跡地の一部へ、本郷にあった本邸から、東京帝国大学と敷地を交換して駒場本邸を構え、和館や洋館、庭園などを整備した。
邸宅は第二次大戦中の前田利為の事故死ののち他人の手に渡り、終戦後の占領軍による接収を経て、取得した東京都が昭和42年に公園として整備公開。昭和50年には目黒区に移管された。
駒場一帯にはこの他に尊経閣文庫、日本民藝館、東京大学駒場Iキャンパス及び東京大学駒場IIキャンパスなどがある。





